@article{oai:teapot.lib.ocha.ac.jp:02001521, author = {白石, 杏 and SHIRAISHI, Anzu}, journal = {生活社会科学研究}, month = {Oct}, note = {裁判実務において,離婚後の親権者または監護権者を決定する時には「子の利益」(民法820 条)を法的理念として判断がなされている.そして離婚後の「子の利益」を判断する基準の一つには「母親優先の原則」が存在する.本稿では母親を親権者として不適格であると判断することで,母親に親権または監護権が決定されなかった5 つの裁判事例を対象に,「母親優先の原則」における「母親」にどのような規範が付与されているのか事例検討を行った.その結果,母親にとっての監護実績は監護者として不適格な存在と評価される際に考慮の対象となり,父親にとっての監護実績はそれ自体が愛情であり,監護者として適格な存在と評価がなされる対象であることが明らかとなった.そして,母親の監護養育と父親の愛情が対置され,「従来監護してきた不適格な母親」を親権者とするのではなく,「従来監護をしてこなかった父親」の方が適格な親権者であると判断がなされる傾向が確認された.判例の根底には性別分業規範があり,「子の利益の母親としての適格性」という二重の規範が母親優先の原則に付与されていることが示唆された.}, pages = {27--34}, title = {[研究ノート]親権者指定等事件における「母親」に対する規範に関する考察―母親に親権等が決定されなかった裁判事例を通じて}, volume = {29}, year = {2022} }