@article{oai:teapot.lib.ocha.ac.jp:00039473, author = {砂庭, 真澄 and SUNABA, Masumi}, journal = {人間文化創成科学論叢}, month = {Mar}, note = {application/pdf, 紀要論文, 我々の論文は1917年のピエール・ルイス宛の書簡に現れたポール・ヴァレリーの「散文」の概念を検討するものである。代表作『若きパルク』の出版直後、ヴァレリーはそれまで書きためてきた『カイエ』から出発して作品を書くという構想をルイスに語る。思考とエクリチュールの間にあるずれをいかに乗り越えるかという問題に正面から取り組もうとするこの文学の試みは、詩ではなく散文を要求する。なぜなら詩は思考の論理を完全に表現することはできないとヴァレリーは考えるからである。また、自分以外の読者が必然的に想定される「作品」をなそうとする以上、他者への正確な伝達を可能にする言語表記について考える必要がある。既に存在している自らの思想を正確に他者に伝達するための方法の探究、それは個人的なものから一般的なものへの変換の試みとも言える。ヴァレリーは、あらゆる学問と芸術の総合の上に自分自身の文学作品を築こうとする。それは改革者たらんとする意図とは無縁の、文学とは何かという純粋な問題提起だ。数学や音楽を参照し、ヴァレリーは散文の「形式」を発見する必要があると考える。詩人にとって、形式こそが他者と共有しうる価値基準であるからだ。散文の形式はいかにして可能か。この問題を大真面目に根本的問題として設定したヴァレリーは、実際に散文作品を完成することはできなかった。しかしそれは敗北というよりは誠実さの証であると言えないだろうか。}, pages = {21--31}, title = {ポール・ヴァレリーにおける散文の問題 : 1917年初夏のピエール・ルイス宛書簡の分析}, volume = {12}, year = {2010} }