@article{oai:teapot.lib.ocha.ac.jp:00040598, author = {辛, 昭静 and SHIN, Sojung}, journal = {言語文化と日本語教育. 増刊特集号, 第二言語習得・教育の研究最前線}, month = {May}, note = {application/pdf, 紀要論文, 本稿では「ら抜き言葉」の変化と様々な要因との関係を概観し、「ら抜き言葉」の変化の様子及び方向を推察してみることを目指す。そのため「ら抜き言葉」の変化に関わる要因を大きく言語内的要因と言語外的要因の二つに分け、今までになされてきた先行研究の結果を中心に「ら抜き言葉」の使用と様々な要因との関係を概観した。\\r\\\ まず、言語内的要因との関係においては、研究により、調査対象・調査方法・調査実施時期が異なっており、何よりも「ら抜き言葉」が完全に定着している表現ではなく、まだ変化が進行中の表現であることから、相反する結果が出ている。また、「ら抜き言葉」の使用に影響を与えている要因は一つに限られているわけではなく、語幹の音節数、動詞の活用の種類、肯・否定形などが複合的に作用していることが分かる。なお、変化が進んでいくにつれ、各要因間の影響力も変わってくる傾向もうかがえる。\\r\\\ 一方、言語外的要因においては次のことが分かった。(1)「ら抜き言葉」の使用率の男女差については、研究によっては性別による使用の違いが認められたと述べているものも、一方では認められなかったという結果を報告しているものもある。また、語により反対の結果がでる場合もあり、必ずしも結果が一致しているわけではない。(2)年齢との関係からは「ら抜き言葉」は若い世代の方で、より多く用いられている表現であることが分かる。(3)「ら抜き言葉」の使用率は他の地方と比べ、特に北海道と中部地方、中国・四国地方、東北地方で高くなっている。しかし、度合いの差はあるが、もはや「ら抜き言葉」の使用地域が全国に広がっていることがわかる。(4)「ら抜き言葉」に対する印象及び受容態度調査からは、一般的には「-レル」型よりは「-ラレル」型の方が高く評価されているが、同時に合理的な理由に基づく変化としての認識も広がっていた。また、「ら抜き言葉」は確かにその使用率を少しずつ高めていく最中であるが、その性格は今の段階では主に話し言葉として、なお場面と相手によって使い分けられている傾向を示している。\\r\\\ 以上のことから、本稿の考察にみる限り、「ら抜き言葉」は若い年齢層・くつろいだ場面での使用を中心に、現在も変化しつつある表現であると同時に、その変化の方向は一時の流行というよりは、言葉の合理性に向かっての変化、地方方言から共通語化を志向する変化であると解釈できる。}, pages = {102--119}, title = {「ら抜き言葉」の研究概観(第1章 文法形式と機能の習得と使用)}, volume = {2002}, year = {2002} }