@phdthesis{oai:teapot.lib.ocha.ac.jp:00041357, author = {善里, 彩子}, month = {Dec}, note = {text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, text/plain, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, application/pdf, 学位論文, 現在宇宙では、銀河や銀河団、またそれらによって構成されている大規模構造などの、物質密度の揺らぎがつくる構造が観測されている。それらの構造は、初期宇宙になんらかの原因で生じた非常に小さい物質密度揺らぎが、その重力的不安定性によって、現在までに非線型成長してできたものと考えられるが、この揺らぎの成長を解析的に厳密に解くことは、一般的に不可能である。\\r\\\ よってこれまでに多くの研究者によって、N体数値計算など数値計算手法が用いられてきた。しかし、数値計算では、結果が得られたとしてもなぜそのような結果になったのかという物理的起源は見えてこない。宇宙の構造形成の背景にある普遍性を本質的に非線形な自己重力系から引き出すためにはできるだけ解析的に取り扱うことが必要である。そのため宇宙の構造形成のまさに過渡期であると思われる銀河や銀河団同士の重力的振る舞いを調べるために、宇宙構造の準非線形領域に注目し、宇宙の物質密度場や速度場の重力による時間発展を解析的近似法を用いて解析的に議論していく。\\r\\\ 膨張宇宙の中の密度揺らぎの成長を分析するためにはZel' dovich-type 近似をするのが効果的であることが知られている。この論文ではまず、なぜZel' dovich-type近似法がよい近似になっているのかを二つの視点:(1) 「Zel' dovich-type近似のよさはそれのもつ一次元厳密性に基づいている」、(2) 「Zel' dovich-type近似のよさはそれのもつLagrange的描像に基づいている」ということに着目して議論した。そのため回転楕円体モデルを導入して、いくつもの非線形近似法を比較した。その結果、まずZel' dovich-type近似とPade近似はprolate(葉巻型:二次元的な重力崩壊)とoblate(ハンバーガー型:一次元的重力崩壊)な初期条件のもとの両方で、球対称モデルでの近似解よりよい近似になっている。そして、その精度はprolateよりoblateのほうがよいことが分かった。つまりZel' dovich-type近似は(そしてPade近似も)低次元collapseであるほどより精度がよくなるということである。一方その他のすべてのEuler的近似法は正反対の傾向を示し、近似の精度は、prolateな初期条件のときもoblateな初期条件のときも球対称のときに比べて悪くなり、しかもoblateな初期条件のときはprolateな初期条件のときよりもさらに悪くなっている。これらの事実は、(1)の、Zel' dovich-type近似のよさはそれのもつ一次元厳密性に基づいているのではないかという視点と一貫して矛盾しない。一方これらの事実は(2)のZel' dovich-type 近似のよさはそれのもつLagrange的という特異な描像によっているのではないかという視点とは対立する。ただし視点(1)について最終的に確認するためにはさらに一般的なモデルでの分析が必要である。\\r\\\ そして、Zel' dovich-type近似法にPade近似法を適用してさらに質のよい新しい近似法をつくり出した。, この新しく作り出したPade-Zel' dovich近似が実際の宇宙での構造形成に対して、これまで議論されてきたさまざまな近似法と比べて、定量的にも定性的にも非常に優れた近似法になっていることを示した。今後このPade-Zel' dovich近似を宇宙の構造形成にともなうさまざまな量の時間発展に適用することで、重力不安定性に対するより解析的な議論ができ、重力の性質の本質を考察することができるであろう。\\r\\\ 次にZAを使って、縦速度、横速度の結合確率分布関数の時間発展を解析的に求め、ZAでの縦速度、横速度の確率分布関数や、さらには二点相関関数の、様々な振る舞いを調べる事が出来るようになった。そしてZAの適用範囲を議論し、D = 1 (現在)、H0 = 50 のときには、20 Mpc 程度以上がZAの適用範囲であると結論した。\\r\\\ さらに縦速度確率分布関数の負の歪み度が発生する定性的なメカニズムを議論した。構造形成過渡期のinfallの効果であると思われる負の歪み度が発生する核となるメカニズムをZAで単純な解析的説明をすることができた。定性的に負の歪み度発生に最も大きく寄与するメカニズムは、初期の速度分散のr依存性およびZAで充分再現できる極めて単純な銀河の運動で説明できる事が結論づけられた。\\r\\\ これらの事をふまえて、Fisher et al. (1994) [36] のN体数値計算の結果と同じ条件下で今回ZAで計算した結果とを比較した。そして、ZAの適用範囲内の時間、スケールにおいては、負の歪み度がZAで定性的に正しく再現できることを示す事ができた。, お茶の水女子大学人間文化研究科博士(理学)学位論文・平成12年12月25日授与(乙第130号)}, school = {お茶の水女子大学}, title = {宇宙の構造形成における準非線形領域の解析}, year = {2000} }